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キリスト教美術と私

幼くして母と死別した私に、絵を描くことを勧めてくれたのは、養母となった大叔母でした。 1958年、美校ではなくLiberal Arts studyの名門校であるオハイオ州のThe College of Woosterに留学して間もない日曜日のこと、音楽専攻の学生達による音楽礼拝があって、ハインリッヒ・シュッツ作曲の「十字架上の七つの言葉」をチャペルで聴く機会がありました。音楽を伴って聴く「七つの言葉」に私は深く動かされて、それらを絵に表してみたところ、大学からキリスト教学の教材にしたいと言われました。以来、私の作品は賛美歌や宗教曲からインスピレーションを与えられることが多く、絵のタイトルになったりもして、私の作品にとって音楽はなくてはならない存在になっています。

絵画とインテリア・デザインの両方を学んで学位、B.F.A.with honorを取得し、建築設計事務所勤務やヨーロッパ巡りをした5年後、日本に戻った私は当時芸大教授であった吉村順三先生の設計事務所に、当時の日本ではまだ「はしり」だったインテリア・デザイナーとして勤務しました。先生は私の「色彩」を高く評価してくださって、「貴女の色彩感覚を大事にしなさい」と評価してくださいました。その後に日本のルオーと言われる田中忠雄(行動美術協会創立会員)先生との出会いがあってキリスト教絵画の道へと導かれたのでした。

以後、30数年に亘って私は「賛美と癒し」の色を模索し続けていますが、いまだに筆はのろく、なかなか思うように仕上がらない時などは、大変な世界に踏み込んでしまったものだとつくづく感じるのです。 そんな私を勇気づけてくれているのは・・・かって母校、東洋英和女学院小学部の小さい後輩たちに講演したのちに、どさっと送られてきたなんとも可愛いい、純粋な言葉で綴られている・・・「絵を描くことは神さまが貴女に与えたお仕事です。どうか続けてください」という手紙たちなのです。

メッセージ

田中忠雄画伯〈行動美術協会創立会員〉のメッセージ 1988年3月

         

青の使い方のうまい人だ。それは限りなく広がる大空であるが、ただの空間ではない。神の居ますところ・・・そんな祈りの気持ちで 松岡裕子さんはカンバスに向かっているのだと思う。もはや絵具の青などではない。大空への憧れの青といったらよいか。 また私も、この青に魅せられた一人なのだ。

                                 

アルフォンソ・デーケン神父〈上智大学名誉教授〉のメッセージ 2000年5月

松岡さんのブルーは時空を超える天上へのいざない。観る人のこころを深い安らぎで充たします。ひとりでも多くのかたが、松岡さんの絵から、 たましいのいこいを得られますようにー。